やる気・モチベーションの維持

電験三種に合格しなかったケースは想定せよ

やる気・モチベーションの維持

最悪の状況からの脱出

※上の画像はエネルギー管理士3科目合格から不合格になりループに入る地獄の受験票

人生が追い込まれる前に

私はいわゆる氷河期世代ですが、社会に出てから入社した仕事がいわゆる3K職場でした。

きつい・きたない・きけんというこの三つのKがまさに当てはまる仕事で、1500度もの灼熱の炉の前で全身炭だらけになりながら、深夜0時~8時まで働くような、まさに地獄のような職場でした。

当時工業高校卒業後、大変に頭の悪かった私は18歳でこの仕事に就きましたが、幼少期からアレルギーと三半規管の異常で、体が弱く運動が全くできませんでした。

周りに頼れる大人がいなかったためにこれから就く仕事がどのようなものかも分からず、「夜勤」や「三交代勤務」がどれほどキツイを身をもって知りました。体が弱かった私が三交代勤務という厳しい環境に適応できるわけもなく、衰弱して2年ほどで退職しています。

その後、無職期間を経験し、人生の絶望の淵に立たされていました。時は就職氷河期で就職先がなく、私は壊れた体と心で途方に暮れていたんですね。

その後なんとか夜勤や交代勤務のない町工場の仕事を見つけました。設備の保守の仕事でしたが、途中で生産技術職に回され、結局は夜勤・長時間勤務を強いられる境遇となりました。体力のない私は結局過酷な勤務には対応できず、時には20時間勤務という厳しい環境の中で心と体を壊して転職しています。

私はこの時に「人生は、このような悲惨な状況に追い込まれる前に対応しておかないといけないのだ」と、身をもって知ったわけですね。

電験は人生を立て直すことができる稀有な資格

私は偏差値40もいかないような地元の底辺工業高校を卒業しました。なので就職先は三交代勤務や夜勤、汚れ仕事、キツイ仕事、命の危険の高い仕事しか選ぶことが出来ませんでした。私がしていた仕事は右の画像のような仕事です。

このような劣悪な職場しか選べなかったのは、もちろん努力を怠った私が悪いんです。

単純に考えればこの状況から人生を立て直すことは困難でしょう。が、私は立て直せました。
電験三種という資格を取得した後は転職も容易にできましたし、電験二種を取得した今は「仕事をしなくてもいいから居てくれ」というほど、引く手あまたの状態です。

運が良ければお医者さんほどの年収・待遇で働くことも可能です。運が良ければ、ですが。

私はなかば人生をあきらめていたのですが、電験によって救われた数少ない一人といえます。

電験の資格でも最悪のケースを想定しておく

この状態からのリセット。きつかった・・・orz

電験三種という資格は、3年のうちに4科目(機械・電力・法規・理論)を合格すればいいという、一風変わった資格です。
ですがもし、あなたが電力・法規・理論を合格しているものの、今年の試験に合格できなかったら、これら科目合格が全て消えてしまうとしたら・・・。
そんな、「最悪のケース」も想定しなければなりません。

私の場合、過酷な勤務が続き体を壊してしまった経緯もあり、リストラが目前に迫っており、ある意味電験三種取得に全てをかけているような状態でした。

ビジネス書を見るとよく「一流のビジネスマンは常に最悪のケースを想定して動く」と書いてありますが、電験三種の資格を受ける際も、「電験三種の資格に滑ったらどうすればいいか」と言うことを常に考えておく必要があります。特に理論の合格率はかなり低く、「電験スパイラル」という3年合格できずに科目合格がリセットされてしまう負のサイクルの引き金になりやすいため、要注意です。

実際、私は電験三種合格後に受けたエネルギー管理士で科目合格がリセットされ、5回目でようやく全部合格、という状態になりました。

ただその時私はあまり焦ってはおらず、「まぁ電験三種あるからエネルギー管理士なくてもなんとかなるよね」と気楽に構えていました。

致命的に頭が悪くても命を懸ければ合格できる

私は電験を勉強し始めの頃、四則演算はなんとか、でも台形や円の公式、解の公式、因数分解などかつて習った数学の知識はほぼ忘れていました。
微分積分など習った覚えもないほど、頭が悪かったのです。

が、かつてひどい労働環境に置かれ死を意識せざるを得ない状況に追い込まれた経緯から「このままだと死ぬ。受からなければ命がやばい」という状況だと認識し自分を追い込んでいきました。

このような状況ですから、もしも電験に合格しなかったらどうなっていたか・・・。

普通の人はここまでの覚悟は必要ないと思いますので、滑ったときのために別の逃げ道は用意しておいたほうが良いと思います。

私は恥を捨て周りの人たちに数学的にわからないところを聞きまくりました。幸いなことに古い友人に数学の教師をしている友がいたので、その点は気楽ではありました。
情けないことですが、中学1~2年レベルの数学知識しかなかったんですね。掲示板などでも沢山質問した覚えがあります。中学や高校生の数学の参考書を購入し、勉強したこともあります。30にもなろうというおじさんが、本当に情けない姿だったと思います。

電験に合格した後も油断しない

私が痛い思いをした経験としては、エネルギー管理士の認定講習会に出席し損ねたことです。
これは、エネルギー改善に関する業務に2年ほど従事していれば、エネルギー管理者の認定講習会を受験して検定試験に合格すれば、エネルギー管理士の資格を取得できるというものでした。

私は電験三種に受かった事でうかれてしまい、すっかりその事を忘れていた。
電験三種の試験を受ける前は「電験三種に合格できなかったら、すぐエネルギー管理士の認定講習会に出席してエネ管取得を目指そう」と思っていたのに・・・・。

気がついたら申込み日が過ぎ、事務局に電話するも当然、「国家資格の講習会なので無理です」とあっさり断られました。

とにかく、後手後手にならないよう、常に最悪のケースを想定し、「もし~が駄目なら、今度はこの策を打とう」とその最悪のケースに対する対応策を常に講じておくことです。
電験三種だけが資格ではないのですから。

同僚に合格について話すのは控える

余談ですが、電験合格について同僚や上司・後輩に話すことはやめておいたほうが良いかもしれませんよ。

私の場合、電験二種合格後に上司にそのことを話したら関係がぎくしゃくしました。
かつてその上司は電験二種に挑み挫折していた経緯があることと、電験を取得するということは比較的容易に転職が可能になるという点が警戒されるためです。

資格取得して浮かれる気分になるのもわかりますが、職場内では基本的に資格取得のことは黙っておいたほうが良いです。その点でも「油断はするな」ということ。職場の同僚との関係はその職場内だけのこと。資格取得して転職していけば、かつての同僚とは基本的に接点がなくなるものです。

転職の落とし穴

私のようにかなり過酷な状況下に置かれていた場合、電験を生かした転職はとても良い選択肢だと思います。ただ、電気の業界というのは資格よりも実力を見る部分が大きく、実力がないのに資格だけ持っていて偉そうなやつが入社してきた、となれば、元々いた無資格者の人たちは快く思わないでしょう。

転職できたら安心というわけではないんですね。

なので、電気主任としての知識・スキルをどこかで積まなければならないのですが、こういった知識を習得できる職場を選ぶことができるかどうかは、第三種電気主任技術者の資格を有しているかどうか、というケースが多いんですね。

私が第三種電気主任の資格を取得した後に入った会社では電気主任としての専任業務はできませんでしたが、幸いなことに電気主任の元でサポート的な業務をこなすことができたため、特別高圧設備のなんたるかを身をもって経験できたのは幸いでした。

この頃に得た知識は間違いなく一生の財産であり、今後の人生でも必要不可欠なものとなると感じています。

まとめ

人生は油断大敵。常に危機感を持とう

人生、どのような不測の事態に陥るかわかりません。

突然のリストラ、借金、会社の倒産、労災、大病・・・。思ってもいなかったようなリスクが生じる恐れがあります。

昨今はコロナウイルスが蔓延し製造業や航空業界・飲食業や旅行業界などは大ダメージを受けています。私は現職に就く前には航空業界にいたのですが、もしもあのまま航空業界にいたら、今頃はリストラの憂き目にあっていたのかもしれません。

時折その会社のリストラや経営方針の変更のニュースが流れてくると、「あぁ、転職しておいてよかったなぁ」と感じます。

電験を取得することで会社の倒産やリストラに備えられるというのは、とても心強いですね。
けれども電験は難易度の高い資格。取得できなかった時のことも十分考えておいたほうがよいということですね。

別のページでも書きましたが、電験三種に挑むならばその下位資格を取得しておいたほうが良いでしょう。電気工事士、ボイラー、冷凍機といった資格の知識は電験でも役立ちますし、もしも電験三種に合格できなかったらこれらの資格を生かしてとりあえず電気業界・設備保守業界に滑り込むというのもアリと思います。

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